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カンロニン:用法用量を守って正しくお使いください

I will be able to teach zazen, the sitting-meditation, to everyone in English.都内にある禅宗寺院の中の人。仏教、イベント、本、教育、組織、アナログゲームなど、日々考えていることを綴ります。現在仏教になじみのある方、まったく興味のない方、みなさまに読んでいただけたら幸いです。

エンジェル・フライト~国際霊柩送還士

エンジェル・フライトを読んだ。

エンジェルフライト 国際霊柩送還士

エンジェルフライト 国際霊柩送還士


『国際霊柩送還』
この言葉は、エアハース・インターナショナルの登録商標だ。


日本で亡くなる外国人がいる。その人を、遺体・遺骨として祖国に送り届ける(までの日本国内での手続き)。
海外で亡くなる日本人がいる。その人を、空港で待ち、エンバーミングをし、遺族のもとへと送り届ける。
それが、国際霊柩送還。


霊柩運送業者は国土交通省による認可制だが、中にはモラルのない会社もあるようだ。この本を開いての第一章「遺体ビジネス」にはパンチを食らう。エアハース・インターナショナルの際限の無い努力にも。
佐々涼子氏の取材したエアハース・インターナショナルは、まさに日本人による、日本人のための国際霊柩送還業者ということが分かる。そして外国人にとっても、日本人のきめ細やかさ・丁寧さが遺族のグリーフワークのキーとなる。
グリーフワーク。悲嘆を癒やす手助けとしての、エアハース・インターナショナルの働きは、葬儀関係者でなくとも。一般人であろうと、考えさせられる内容だ。


何かをするということは、その行為によって隠されるものも同時に生まれる、ということである。
エアハース・インターナショナルは、一体どのようなことをするのか?そして、その行為が、遺族にどのような作用を及ぼしていくのか?


取材によって見えたもの。社員それぞれの人間としての働き、心の動き。すべてを追った作品である。いい意味で、「国際霊柩送還」という枠を超えていると私は思う。
そして、忘れ去られるべき人、とは?いま現在、悲しみにくれている人、これから辛いことがあるかもしれない人。読んでみてほしい。


きちんと悲しんで、そして忘れてもらうために。 – 『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』 - HONZ