読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

カンロニン:用法用量を守って正しくお使いください

I will be able to teach zazen, the sitting-meditation, to everyone in English.都内にある禅宗寺院の中の人。仏教、イベント、本、教育、組織、アナログゲームなど、日々考えていることを綴ります。現在仏教になじみのある方、まったく興味のない方、みなさまに読んでいただけたら幸いです。

戦争していることが普通という時代

NHKの教育テレビ(いまはEテレと言うらしい)で「こころの時代~宗教・人生~」という番組が放送されている。
予約録画してあるので見ているのだけれども、3月25日の放送は、妙心寺 住職・全日本仏教会長の河野太通老師だった。

3月25日(日)
午前5時00分~6時00分
こころの時代~宗教・人生~「“ありがとう、すみません、お元気で”で生きる」
「仏門へ入った動機は人間不信」という妙心寺住職の河野太通さん82歳。最近、人々に説くのは「仏道に立脚した人の生き方、人類のあり方」。それは「感謝、懺悔(ざんげ)、報恩」で、日常のことばに直すと「ありがとう、すみません、お元気で」になるという。仏道を60年歩んで見えてきた心の世界を聞く。
こころの時代~宗教・人生~/宗教の時間

この方の本は何冊か持っているし、宗派のトップでもあるから色々なところに寄稿している。そのため必然的に読むことになる(僕の所属する宗派だからなおさら)。番組の内容は聞いていたことばかりだったのだけど、彼が僧職につくまでの話のなかで気になることがあった。
それは、「わたしは昭和五年生まれだが、翌年から満州事変があった。日本はわたしが生まれてからずっと戦争していたから、戦争しているということが当たり前だった」という話だ(そして終戦。それから旧制中学の四年時に軍国主義は間違いでこれからは民主主義だ、という教師の言葉に不信感をいだく)。

法号を考えるために、通夜葬儀と式を執り行うために、僕は遺族に話をうかがう。もし亡くなった方が年長者だと、その長い人生をわかる範囲でお聞きしていくことになるのだが。戦争については詳しく聞くことができないでいるように思う。子どもや兄弟から話を聞いても、本人から聞いていないことが多いのだ。
大正生まれの方の場合、戦争に行っている場合が多いし。昭和のはじめだと上記のように学徒動員されるか否かくらいの方だから、話すことはあるのだろうけれど。

戦争していることが普通という時代。いまの僕には考えられない。でも実際にはあった。
3月10日、8月には先の大戦に関するドラマが放送されるくらいになってしまっている。昨年は沖縄返還協定から40年。運命の人というドラマが放送されていたけれど、本当に考えられない。想像もできない。ただ涙するだけだ。

こうしている今も地球上のどこかで戦争は起きている。
最近戦争は無人化されるとどうのという文章を読んだけれど、なにがあっても戦争はあっちゃいけない。この平和は守りぬかなきゃならないんだって思うんだけど、ちらっとでも・・・必要なときもあるよね・・・なんて脳裏をかすめることも許されないはずだ。

河野太通老師は笑ってお話していたけれど、今だからこそ、だ。つらいことはつらいままに話すことも大変なのに、笑って話すことができる強さはどこにあるのかと。聞き入ってしまう放送だったな。